先輩からのメッセージ
スタッフ同士よく相談ができる、アットホームな環境
入局した理由・きっかけ
私は小さい頃に親族をがんで亡くした経験から、抗がん剤の開発をしてみたいと考えていました。神奈川県内の高校を卒業し、医学研究に携わるために医学部へ入学しました。4年次の講義で腫瘍内科という存在を知り、自分に合っている専門領域だと思い、進路として考えるようになりました。
大学卒業と同時に、地元かつ腫瘍内科がある聖マリアンナ医科大学病院で初期研修を行い、研修医2年目の時には実際にがん診療に参加しました。自分は元々研究を志して医学部へ進学しましたが、がん診療の現場を目の当たりにして、自分もがん患者さんのために診療を行いたいと思いました。聖マリ腫瘍内科はエビデンスに基づいた質の高いがん診療、地域に根ざした医療を提供しており、また、臨床のみならず研究も盛んに行っており、やりたいことができる環境だと思い入局を決めました。
医局の雰囲気や研修体制
主任教授を筆頭に、大学本院の医局としては比較的若いメンバーで成り立っている講座です。デスクは一部屋にまとまっており、スタッフ同士でよく診療や研究の相談をしています。臨床の疑問点や調べても分からなかったことを上司に相談しやすく、専攻医としても良い環境だと思います。また、医局にはスタッフの他に秘書・研究補助員もおり、一致団結して診療・研究を行っています。
納涼会や忘年会、学会出張時の飲み会などイベントも多く、和気あいあいとした雰囲気です。
次に研修体制です。専攻医は様々な癌腫の化学療法、がん終末期医療など入院管理を主に学びます。チームは2つに分かれており、どちらかのチームに配属となり指導医がつきます。主に指導医の患者を診ますが、同じチームの入院患者のサポートも行います。病棟業務が一通り終わると、指導医の化学療法外来の見学、初診患者の病状説明への同席など外来研修を行います。外来が終わると指導医とともに病棟に戻り、病棟の確認をします。ここまでがおおまかな一日の流れです。週1回のカンファレンスでは入院患者のプレゼンを行い、全体から意見をもらいます。相談症例提示の時間では、化学療法レジメン選択について質問が来ることもあり、回答してフィードバックをもらいます。
今後の目標について
内科専攻医プログラム終了後に内科専門医を取得し、その後はがん薬物療法専門医を目指します。患者の気持ちに寄り添ったレジメン選択、緩和ケアができる腫瘍内科医になりたいです。
研究も並行して行い、生命予後を改善するようなデータを出すことが目標です。治療選択に影響するバイオマーカーの検索に興味があります。また、元々創薬を志して医学部へ進学したので、抗がん剤の開発に携わりたいです。
専門性を生かして、臨床から研究までできる環境
入局した理由・きっかけ
私は医師3年目から消化器内科医として消化器全般の診療を幅広く行ってきました。その中でも特に化学療法に興味を持ち、7年目から国立がん研究センター東病院で専門的なトレーニングを受け、治験や臨床研究にも携わりました。当初は消化器内科のサブスペシャリティとして化学療法を得意にしたいと考えていましたが、がん診療や治療開発の最前線で経験を積む中で、今後も治験・臨床試験に関わりながら、新規治療を個々の患者さんに最適化するために必要な臨床研究を行いたいと思うようになりました。一度は一般消化器内科に戻ったものの、これまでの経験を生かして消化器がんの臨床と研究ができる最適な職場を探し、当講座に入局することにしました。
当講座は多くの治験・臨床試験に参加しており、さらに様々なオリジナルの臨床研究が行われているため、当方のように臨床をしっかりやりながら、治験・臨床試験にも携わり、臨床研究もやりたいという医師にとって最適な環境だと思いました。また、腫瘍内科ではありますが消化器がんがメインの講座でありこれまでの経験が活かしやすいという点や、生まれ育った地元の病院だったため地元に還元できるという点も個人的には大きかったです。
ワークライフバランスについて
基本的にカンファレンスが勤務時間内の17時までに終了するように予定されているため、仕事が終われば17時に帰宅することも可能です。平日夜は、自宅で研究等の仕事をすることもできますし、飲みに行ったりジムに行ったりなどプライベートの予定を入れることもできます。なお、2024年4月から医師の働き方改革に伴いタイムフレックス制が導入され、よりフレキシブルに働けることが期待されます。
また、病棟はチーム制になっているため有休休暇も比較的とりやすいです。連休とうまく組み合わせれば、海外も年数回は行けます。私の場合、2023年は学会のサンフランシスコのほか、休暇でシンガポール、ゴールドコースト、プーケットに行くことができ、ホノルルマラソンにも参加することができました。試験の立ち上げや論文作成など忙しい時期には仕事に集中しつつも、息抜きも適宜とれますし、メリハリのある生活がしやすい環境だと思います。
力を入れている治療・研究テーマ
元々胃癌を中心に臨床研究を行っており、上部消化管をメインで臨床研究を行いたいと考えています。入局後、砂川先生や医局のサポートメンバー、他施設の先生方に御協力いただき、食道癌の特定臨床研究(FLONTALE試験)を立ち上げ、最近やっとスタートすることができたので、まずはこの試験を無事に完遂させたいです。このほか、以前から携わっていた胃癌の新規標的であるClaudin18.2に関する臨床研究も今後続けていきたいと考えています。
メッセージ
これまで医師10年目前後での入局者が多かったですが、近年では研修医上がりの3年目の先生も毎年入局してくれています。医局員は、私も含め地域のがんセンターで研修を経験した医師が多いのも事実ですが、当講座には様々なバックグラウンドを持った中堅医師が多く、幅広い知識・経験を教えることができますし、当講座で十分なトレーニングができると思います。
また、当講座の一番の特徴は、砂川先生が各先生のやりたいことや目標に合わせて臨床や研究ができる環境作りをしてくださる点にあると思いますので、まずはしっかり臨床をやって専門医を取得したいという若手の先生から、自身の研究を行いたい中堅の先生まで様々な先生方のニーズに答えられる環境だと思います。
腫瘍内科医の1日(最も忙しい曜日)
各先生の研究の進捗報告をした上で、検討すべき内容について皆で検討します。新しい研究の立案などについても相談が可能です。
担当患者さんを回診し、状態の把握をして当日の検査や診療内容について確認をします。 チームによる回診も定期的に行い、患者さんの状態を共有して検査や治療方針についてチームで検討します
週1回の初診外来、週2回の再診外来があります。 初診は、近医からの紹介や消化器内科・外科などからの紹介依頼もありますし、原発不明癌などの精査依頼なども来ます。 再診は、緩和的化学療法や周術期化学療法の患者さんをメインに診療しますが、治験や臨床試験の患者さんもいます。
入院患者さんや外来の新患患者さんについて共有し、治療方針について科内で検討を行います。
担当患者さんを回診し、診察をします。当日の検査などの結果を確認したり、必要に応じて処方・指示などのオーダーをいれます。
医局の事務および研究補助員の方も含め、業務に関する事項や、各研究や臨床試験の状況について共有します。
CRCさんを含めて、治験についての情報共有を行います。
臨床業務が終わったあとは、医局で研究等の仕事をしたり、早めに帰宅することもあります。