主任教授からの挨拶

個々のがん患者さんに最適ながん診療と新規治療のチャンスを!

 臨床腫瘍学講座(腫瘍内科)は2010年7月に設立された講座で、2020年7月に10年を迎えました。一昔前と比べて、現在では「腫瘍内科」という科が大分認知されてきましたが、専門医の数はまだまだ限られており、どこの病院にもある科ではありません。そんな中、当講座は日本で腫瘍内科を一般化し、がん診療を少しでも発展させるべく邁進しています。

 当院の“がん診療“の自慢は、外科・内科・放射線科・病理・緩和チームなど、がんに関わるすべての科の垣根が低く、密な連携がとれていることです。医師だけでなく、看護師・薬剤師・ソーシャルワーカーなどが一体となり、”チーム聖マリ”となり、がん患者さん一人ひとりの生活を支えることができています。さらに、がん診療の4本目の柱となる、「ゲノム医療」にも力を入れ、がんゲノム医療拠点病院としての役割を果たすため、チームで取り組み、神奈川県北東部のゲノム医療を支えています。地域に根ざしたがん診療の拠点として、個々の患者さんにとって最善・最適ながん診療を提供することが、我々”チーム聖マリ”の最大の使命です。

 一方で、がん治療開発の中心的存在として、通院圏外のがん患者さんに対しても新規薬剤のチャンスを提供できるよう、多くの臨床試験、治験を行っています。当科で進行中の臨床試験、治験についての情報は、このサイトで随時アップデートしていますので、参加希望の患者さんは現在の担当医に相談し、受診をご検討ください。

 教育・研究においては、医学生・若手医師に臨床腫瘍学の基礎を教育するのみでなく、高校生にもがん診療を学ぶ・体験する機会を作っていきたいと考えています。腫瘍医を目指す医師は、当講座で自らの臨床経験や基礎研究の中から出たアイデアをproof of conceptまでもっていく橋渡し研究や、開発早期の医師主導治験などを実施する機会を得ることができます。また、当講座は、治療薬開発だけではなく、支持療法、高齢者への治療、がん患者さんの栄養、アプリケーションを利用したがん診療など、多岐に渡るオリジナリティある研究を行っています。これからのがん診療では何が重要なのか、何が必要なのか、我々は常にこれらを考えながら研究を進めています。ここマリアンナから、がん領域における新しいエビデンスを発信していきたいと考えています。

臨床腫瘍学講座(腫瘍内科)

主任教授 砂川 優

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